東京サージクリニック耳鼻咽喉科

滲出性中耳炎

 急性中耳炎が完治せずに遷延化した状態であり、小児に多く見られます。無痛性で鼓膜穿孔はありません。中耳に滲出液が貯留して、難聴、耳閉感をきたします。多くの例で耳管機能障害が背景にあります。小児は訴えが少なく、母親が難聴に気付き耳鼻科を受診して発見されたり、検診で見つかることが多いです。滲出性中耳炎の治療方針はその程度にもよりますが、年齢により若干異なります。3歳以下では、自然治癒傾向があることを考慮し、鼓膜切開などの外科的処置はできるだけ避けています。4−9歳でも耳管処置などの保存的治療が主体となりますが、病変が高度なときは鼓膜切開をすることもあります。10歳以上の難治例では、成人や老人の場合も含めて積極的に鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術などの治療を行います。

 

 

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  中耳内チューブ留置術

  この手術は鼓膜切開とともに滲出性中耳炎や反復性中耳炎などに対して広く行われている治療の一つです。通常は外来で局所麻下に短時間に行ないます。チューブの効果は、炎症や滲出液で生じた中耳の閉鎖腔を外耳道を介して一時的に解消し、その結果、中耳腔のガス代謝能が改善されることによる換気効果です。

手術手技

 

1) イオン浸透麻酔によって約10分間で鼓膜が麻酔されます。

2)チューブは長期の留置を目的とするため、ツバの大きいものが脱落しにくいため、当クリニックでは、高研チューブを使用している。

3)鼓膜の前下部にツバの2/3程度の切開を行い、ツバの先端をすべ

込ませます。

4)すべての操作は顕微鏡下で行います。

 

 術後経過

 

 中耳換気チューブの挿入期間と抜去時期についてはさまざまな意見があります.総合的判断しますと、小児の場合、中耳換気チューブは最低6ヶ月以上留置し、中耳の含気が進み、再発育が認められた時期か、抜去時年齢が7−8歳以降であることが望ましいと思います.成人では、小児と異なり、非可逆的あるいは慢性的な耳管機能障害が生じていることが多く,チューブの挿入期間も小児よりさらに長期間必要です。また、脱落後の再発もみられ、再挿入の必要があります。定期的な観察が必要です。また、聴力検査も定期的受けると良いでしょう。

 

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手術実績

 

 滲出性中耳炎の治療は日常臨床で多くの症例を取り扱っています.その中で、難治性のものに対して本手術を勧めています。

 

合併症

 

1)耳漏:チューブ留置中に耳漏を認めることがあります。通常は抗生物質の投与や耳浴によって制御可能です.

2)穿孔:チューブ抜去後穿孔が残ることがあります。2%〜25%と報告されています.

3)肉芽形成:チューブによる反応で肉芽形成が見られることがあります。チューブ周囲の肉芽発生が広範囲に及ぶ場合は、チューブの抜去することがあります。

4)真珠腫:頻度は少ないですが、穿孔縁から上皮が侵入し真珠腫を形成することがあります。